めちゃくちゃかっこいい新曲「Zombies are standing out」のついでに聴いてほしいポルノグラフィティおすすめ16曲
先日、ポルノグラフィティのサブスク配信が始まり、そのタイミングでおすすめ曲を紹介するファン諸氏が大勢現れた。
なんとも嬉しい限りである。
きっかけは後述するが、筆者も実はかなり前におすすめ曲集をまとめていたのだが、紹介するタイミングを逃していた。
そこで、サブスク配信にはめちゃくちゃに出遅れているが、9月28日に配信開始しためちゃくちゃかっこいい新曲について触れつつ、ぜひ聴いてみてほしい曲を紹介することにする。
だいたいこのブログ、ポルノグラフィティが好きな奴が書いてるのに記事がほとんどラジオレポートってどういうことだ、他は鈴木杏樹を褒めてる記事しかないじゃないかと我ながら危機感を持ったため、今現在のところポルノファンっぽい記事を書く必要に迫られているのである。お察し願いたい。
〈新曲紹介:曲の振り幅が大きすぎる今年のポルノグラフィティ〉
●2018年1月リリース『カメレオン・レンズ』
不倫が主軸のドラマ『ホリデイラブ』の主題歌にふさわしく、ミステリアスな雰囲気をまとった、すれ違いを描いたアダルト曲。
youtu.be
●2018年7月リリース『ブレス』
タイアップである『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』に合わせて、爽やかなポップスでありつつもポルノらしい皮肉のきいた歌詞と軽やかなストリングスが印象的な1曲。
YouTubeのコメントにあった「パパノグラフィティ」に若干笑った。
youtu.be
この2曲の時点で「何だこの振り幅…」って感じなのだが。だが。
●2018年9月リリース(配信限定)『Zombies are standing out』
なんだこれ。
ポルノって、こんな曲作れるの?
というのが最初の感想だった。
なにせめちゃくちゃかっこいいのである。
楽曲的にはべつに、まったく新しいことではないのかもしれない。
誰かがやっていそうなことなのかもしれない。
でもポルノがこれをやっているのだ。
たった2人だけのポルノなのだ。
ひねくれた歌詞をまっすぐな声で歌ってきたポルノグラフィティなのだ。
(編曲はいつもかっこよく仕上げてくれるtasuku氏である)
ここに来て超絶ゴリッゴリの骨太ハードロックを持ってこられて、我々ファンも驚きを隠せないでいる。
デビュー20周年を控えてなお、守りに入らない攻めの姿勢にだ。
作曲を担当した昭仁氏が説明するところによると、
「2017年の末くらいに書いた曲。最近ロックテイストのものを作ってないなと思って」
「丸くなるんじゃなく、尖った部分を見せようと」とのこと。
何故ゾンビなのか?ということに関しては作詞担当の晴一氏いわく、
「イントロに入っているボイスエフェクトから着想を得た」
「ゾンビは何を求めてさまよっているんだろうということを考えながら…」
※いずれも2018年9月28日配信『しまなみテレビ』の発言より
公式サイトでは楽曲についてこうある。
「Zombies are standing out」では、今やポップカルチャーの代表的なアイコンである「Zombie」を喪失感や諦念に抗い、何度でも立ち上がる象徴として用いており、その「Zombie」の持つ世界観を骨太なロックサウンドに乗せたナンバーとなっています!!
この楽曲でいう「Zombies」とは、もはやポルノ自身のことなのではなかろうか。
20年近くというもの、山あり谷あり、紆余曲折ありながらもずっと戦ってきた2人に重ねて見てしまう。
音楽的にどうとか説明できないが、とにかくめちゃくちゃかっこいいしめちゃくちゃ売れそうな曲なのである。
というかこのめちゃくちゃかっこいい曲が売れない世界があるとするならば筆者はそこで暮らしていける気がしない。
どうか軽率に聴いてみて、そして軽率にダウンロードしてほしい。
はぁ~かっこいい~
(でもYouTubeのサムネは別の画像にした方がいいと思う。西城秀樹ってめっちゃ言われてるし、昭仁氏は横顔か斜め45度の角度が1番絵になるからだ。
公式は一体いつになったら昭仁氏の横顔が世界一美しいことを認識するんだ、まったく)
〈本題:軽率に聞いてほしいポルノおすすめ曲16選〉
今年5月、アミューズフェスに誘った友人にある日こう言われた。
「いつもさぁ、ポルノのアルバム曲もカップリングもいい曲あるんだよって言うけどさ…
ぶっちゃけ全然貸そうとしないじゃん。いまだに初期シングルしか知らないんだけど」
…なんですって?
確かに貸したことはなかったが、自称音楽好きな友人のことだからそれなりに、初期アルバムくらいは聞いたことがあるものと思い込んでいた。
だいたい2ndアルバムなんて何枚売ったか知ってんの?ミリオンやぞ??当時生きてて『foo?』聴いてない若者なんていんの?
とまで思っていた。
むしろ今も思っている。
しかしこれは確かに驕り。
紛れもなくファンの驕りである。
と、反省のあと決意を新たにし、友人の知らないポルノを知ってもらおうとまとめ(きれなかっ)た選曲集が以下である。
「アルバムを聴いたことない」「ハネウマライダー以降はシングルも危うい」という友人に向けて今年6月に選曲したものなので、若干の偏りがあったり、『ブレス』以降が選曲候補に入っていなかったり、筆者の趣味が出すぎてシングルが全然入ってなかったりという弱点はありつつ、せっかく選んだので記事にしてみた。
どうぞ、『Zombies are standing out』をダウンロードしたついでに軽率に聴いてみてほしい。
〈筆者が選ぶおすすめポルノ曲16〉
- オー!リバル
- ダリア
- Century Lovers
- 月飼い
- ライン
- 夕日と星空と僕
- パレット
- ANGRY BIRD
- Part time love affair
- Fade away
- MICROWAVE
- ミステーロ
- ルーズ
- カメレオン・レンズ
- ロマンチスト・エゴイスト
- ジレンマ
〈ちょっと解説〉
①オー!リバル
いわゆるポルノらしい曲で、とっつきやすいと思い選曲。ファンの諸氏には言わずもがな、近年の傑作である。
ポルノらしさで連想されるようなラテンでありながら新しい楽しいかっこいい三拍子揃ったもうすばらしい曲でMVも見てほしくてほんとにもうこれ以上語彙力ないから説明できない、聴いて。
昭仁氏も言っていたが、ポルノらしいラテンを自分で作れたことが自信につながったという、契機の1曲。
もちろんポルノにラテンの要素を与えてくれたのは名プロデューサー・本間昭光氏であり、サウダージやアゲハ蝶や、数々の名曲がなければこの曲は生まれなかった。
しかし大事なのは、そのプロデューサーがいない今のポルノグラフィティが、タイアップに合わせてこの曲を作り、好評を得たことなのである。ファン心理にも誇らしい曲。
youtu.be
②ダリア
「素晴らしいメロディに素晴らしい詞があってこその名曲」という自論を持つ筆者が曲で殴られた1曲。
曲だけで大好きなのでたとえライヴで昭仁氏が歌詞全部ド忘れして、スキャットと鼻歌とシャウトだけで歌ってもたぶん「ああ好きー!」ってなる気がする。
とにかくガリガリしてるギターがかっこいいの一言。
横浜ロマンスポルノ’16~The Way~で昭仁氏がバッキングしてるとこ見てあやうく昇天しそうになった。BUTTERFLY EFFECTツアーでもやってくれて至高だった。
昭仁氏はいいギターをたくさん持ってるのにあんまりライヴで弾いてくれないんだ…なんでなんだ…
③Century Lovers
ライヴ定番曲。イントロ・アウトロでFu!Fu!とコール&レスポンスするのがお決まり。
ライヴ構成で考えると3曲目に持ってくるのは早いのだが、でも3曲目に聞いてほしくなってしまったため入れた。
Before Century(煽りの部分)が入ったライヴ版があるので、そちらを聴いてライヴ感を楽しむのも良し。
④月飼い
出ましたみんな大好き月飼い。カップリング曲ファン投票で常に1、2を争う人気曲。
あの、好き。
好きだけど世のファン諸氏と比べたらたぶん好きって言えないレベル。普通に好き。
と思ってたらたまにすっごい聴きたくなって聴いたら聴いたで「うわっやっぱめっちゃいい…なんだこれ最高…」って語彙力が失われるのでやっぱりこの曲…好き…。
⑤ライン
どうしても入れたかった感涙ソング。
ビジョンが曖昧なんデショウとか、100万人のために歌われたラブソングだとかのひねっくれた歌詞か、淡い恋の真ん中を泳ぎきってみせてよだとかデイズオブザセンチメンタルを駆け抜けたいだとかの爽やか歌詞の2種類だけじゃなく、こんなに心に痛いのもある。
作詞者にこんな経験があったとかなかったとかは全く別で、こんなにリアルに切り込んできてほんと勘弁してくれよと思った。
⑥夕日と星空と僕
なんで愛とか恋ってこんな難しいんだろう…としみじみする1曲。
ポルノってこういうタイプの曲に限らずだけれども共感性というか、リスナーに寄り添うということに関してずば抜けた表現を見せることがあって、そこにぴたりとはまるとそこは音のない森、いや底のない沼だから本当に気をつけてほしい。
ポルノにはとても珍しく1番のサビがない曲展開になっている。これがすごく効いていて、この曲がこの曲たるゆえんになっている。
ちなみに『月飼い』とカップリング曲ファン投票で1、2を争っているのはこの曲である。
⑦パレット
出ましたみんな大好きパレット。
アップテンポで軽い曲調、来る者拒まないポップスなのだが、なにせ歌詞が難解なので個人的にはちょっと得体の知れない感がある。
歌詞解釈してる方もたくさんいるのだが、いまだ「これ!」という解釈に出会ったことがない。
しかし結局のところ「もうメロディに身を任せてしまえ 足りない言葉を探すのはやめて」が総意かなぁという気がする。
Sound Scheduleの『ことばさがし』を聴いた時にまっさきに思い浮かんだのがこの曲。
⑧ANGRY BIRD
この辺りでロックテイストを。
ほらかっこいい!!かっこいい!!!語彙力はない!!かっこいい!!
アルバム『RHINOCEROS』の1曲目ということもありちょっと背が伸びるため、ヘソ的な役割を期待して入れた。
⑨Part time love affair
これだ、私が聴きたかったポルノの曲はこれだ!と思った運命的な曲。
シティの匂いがするメロディと打ち込み、セクシーなトランペット。そして女々しすぎて目眩のする歌詞。「あいつに電話をかけちゃ やだよ」とささやくように歌う声。
都会的でアダルトで、それでいてままならぬ人の感情を、海のモチーフを用いて表現しているんだけども、ままならぬ一方の恋模様。なんとなく禁断な。
『サウダージ』が成し遂げた、「女々しい歌詞を女目線で描きそれをカラッとした声で歌うことによる楽曲バランスの黄金比」とはまた別に、湿った方向に特化しているのが強み。
⑩Fade away
夜の暗い海に放り込まれたような曲。
新曲『Zombies are standing out』と似た系譜かもしれない。
ファン諸氏にはおなじみの、たまに昭仁氏が出してくる闇(病み)曲。
3枚目のアルバム『雲をも掴む民』のなんとなくダークな雰囲気がお好きな人にはおすすめ。
⑪MICROWAVE
こんな曲をポルノが出してくる日が来るとは心底思っていなかったので、友人への報告のつもりで入れた1曲。
冷蔵庫のくだりの「真夜中に低く唸るだけ」というところがいたく気に入っている。そしてそれが「just noisy song」…うるさいだけというのが、とてつもない憐憫を感じさせる。
この曲のせいで晴一氏のことを人に説明する際に「油断のならない人」という言葉を使うようになった。
⑫ミステーロ
今現在のところ1番あからさまに“フィクション性の追求”をやっている曲だと思う。
フィクション性の追求とは、晴一氏が目指している「フィクションの精度を高めることにより生まれる表現」というもの。
というのもこの曲、最初から最後まで何を言っているかまるでわからない。
断片的にわかるような気もするが、…いやわからんわなんなの「不吉なカナリアに奪い去られた」って…。
この曲はかなりの部分で受け取り手に委ねられていて、その分とても自由。
お好きな設定やら、推しカプやら当てはめてみたらおそらくすばらしく入り込めるだろう。
ちなみにはじめてこの曲を聴いた時の私の感想は「石油王BL…?」だった。
(※石油王BLを語れるほど読んでいないので、あくまでイメージの上)
⑬ルーズ
これカップリング曲で大丈夫?アルバム入れた方がいいんじゃない??と当時ざわつきが起こった壮大なバラード曲。やたら完成度が高い。
「永遠という文字が何より似合うのは さよならや後悔だけなのかな」
「夜を抜けた街は飴細工みたいに」
等、晴一氏らしい歌詞のオンパレードである。
⑭カメレオン・レンズ
ドラマ『ホリデイラブ』主題歌。洋楽的なEDMアプローチの曲。ドロドロの不倫ソングと思いきやそこまでアダルト一辺倒でもなく、すれ違いを主軸にした、人間関係を考えさせられる楽曲になっている。
Bメロの後ろの鍵盤が好き。
コーラスで入ってくれたSkoop On Somebodyのtakaさんが英語の発音がめっちゃ上手いので、つられたのか昭仁氏もいつもより若干英語が上手いところが気に入っている。
⑮ロマンチスト・エゴイスト
デビューにあたってなかなか方向性が決まらなかった当時の曲。
そこでRyo(吉俣良)氏が「君たちはUKロックみたいなのが合うんじゃない」と言って作ってくれたのがこの曲である。
なんだか切ない気持ちになる不思議な曲。
晴一氏の手による「ロマンチスト・エゴイスト・ツナグ・コバルトブルーのアーチ」というまた難解な歌詞のサビだが、当時のディレクターが「よくわかんないけどなんかいいよね」と言ってそのままGOになったそう。
確かに、「よくわかんないけどなんかいい」のである。
⑯ジレンマ
この曲を聴くと「血湧き肉躍る」みたいな感覚になる。
インディーズ時代からあり、しかもかなり最初期にTama氏が作った曲。 アンコールナンバーとしてお馴染み。
ライヴであまりやらなかった時期もあったが、最近はまたアンコール曲に復活して嬉しい限りである。
新しいことに挑戦しつづけるだけではなくて、これまでを否定しないことも悪くないかな、と彼らの考え方が変わったのかなと思う。
以上、参考になれば幸いである。
しつこいようではあるが是非、軽率に聴いてみてほしい。